クジラの宝箱

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子供時代に帰るブログ。絵本や児童文学を中心に、癒されるもの、ワクワクするものをご紹介します。

『エルマーのぼうけん』家族で読み継げる名作シリーズ第1弾

エルマーのぼうけん表紙エルマー3部作の1作目。『エルマーのぼうけん』は、1948年に出版された児童文学です。

作者はアメリカ出身の「ルース・スタイルス・ガネット」さん。 実際に読んだことはなくても、青と黄色のしましまのリュウは見たことがある!という方は多いのではないでしょうか? 世代や国を超えて読み継がれる名作です!

 

そんな「エルマーのぼうけん」のあらすじや対象年齢をご紹介します!

『エルマーのぼうけん』の対象年齢

対象年齢:5才~10才

【読み聞かせ】5~7才

・小学1年生~2年生が楽しめるストーリー。

・文章量的に自分で読み切ることが難しいので、読み聞かせにおススメ。

【じぶんで読書】8~10才

・小学3年生~4年生に向いている読書量。

・とくに読み聞かせなどで一度読んだことがある子供であると、知っている内容なので読みやすく、読書体験を楽しいと思えるはず

・夏休みの読書感想文に最適。

私も初めて読んだときは小学校低学年の時で、自分で読んだのではなく、おばあちゃんに読み聞かせをしてもらいました。

 

おばあちゃんもこの本が大好きで、読み聞かせのときとはまた別に一人で読んでいた姿を覚えています。大人が読んでも楽しめます!

 

『エルマーのぼうけん』のあらすじ

あるとき主人公のエルマーは、年老いたノラ猫から、どうぶつ島にとらえられている可哀想なリュウの話をききました。

 

猫によると、まだ子供であるリュウはうまく飛ぶことが出来ず、住み家である「空色こうげん」から、獰猛で、なまけものなどうぶつ達が暮らす「どうぶつ島」に落っこちてしまったというのです。

 

どうぶつ達にとらえられたリュウは、まだちいさな子どもなのに、どうぶつたちの代わりとなって、ひどく働かされているといいました。

 

そこでエルマーは、そんなりゅうを助けるために、たった一人ぼっちでぼうけんの旅に出ることにしました。

 

でも、エルマーの家がある「かれき町」と「どうぶつ島」は遠く離れているだけでなく、大人が震えあがってしまうような猛獣がたくさん暮らしています。

たくさんの困難が立ちはだかる『エルマーのぼうけん』。エルマーは無事にりゅう君を助けることができるのでしょうか?

 

ストーリーのポイント

☑子供の想像力をかきたてる

☑相手への思いやりと優しい気持ち

☑困難にたちむかう勇気

 

読んでみた感想

ここからはネタバレ含みますのでご注意を!

小さな子どもが空想しやすい!細かく構築された世界観

私が幼い頃にエルマーのぼうけんを読んでいたとき、一番好きだったのは、本の見返しに描かれている「地図」でした。

地図には、エルマーが船に乗って辿りついたみかん島からどうぶつ島までの道、それからどうぶつ島でりゅう君が捕まっている場所が描かれています。

 

当時の私は、この地図があることによってきちんとエルマーのいる世界のなかに浸りきることができていました。文字だけで自由に空想するのも、それはそれで楽しみがありますが、小学校低学年ではまだ自分だけでイメージしきるのが難しい部分もあります。

 

でも、この地図や途中に挿絵があることによって、私は読みながら自然と頭に情景をイメージできていました。

 

今回もう一度読み返したんですが、読みながら「この風景なつかしい!」という気持ちになりました。文章や展開がなつかしいというよりは、頭の中で風景として残っていましたね。

 

こうやって世界観の細部までイメージすることができたので、まるで自分がりゅう君を助けに行っているような、どうぶつ島を冒険しているような気持ちになれて楽しかったんだと思います。

 

また、地図があることによって、「この先の道にはなにがあるんだろう?」「この書かれていない部分には何が住んでいるんだろう?」と、エルマーではなく自分自身が冒険しているような気持ちも味わえました。

 

私はこういう作りこまれた世界観が、エルマーのぼうけんの一番の魅力なんじゃないかと思っています。

 

文章のなかには、たびたび…

 

三しゅうかんねこをやしなってやりました。

六日六ばんふねのそこにかくれていました。

 

といった数字を使った表現がでてきます。

 

「本当に起こった出来事なのでは」と錯覚してしまうほど、自然とファンタジーの世界に引き込まれてしまうのは、こういったリアリティのある描写にあると思います。

 

本を読んでいるのに、きちんと頭のなかにエルマーの世界や時間の流れがイメージされていて、映画を見たような気分になりますから、まだ小さなお子様でも、想像力が刺激されて、エルマーのようにどうぶつ島をぼうけんできるはずです!

 

対立以外の方法で困難を乗り越えていく、エルマーの『知恵』

9歳の男の子が、自宅のあるかれき町からずいぶんと遠くのどうぶつ島まで、誰の力も借りずにたどり着く・・・。これだけでも大冒険ですが、エルマーはさらにここから、行く手をはばむどうぶつを回避しながら、りゅう君のもとにたどり着かなくてはなりません。

 

そこでエルマーは、何の考えもなしにどうぶつ島に向かうのではなく、事前に猫と一緒に作戦会議を重ねました。どうぶつ島にたどり着くまでのルートから、旅のあいだの食料や、もしどうぶつたちに出会ったらどうするか…。

 

そうしてエルマーは出発日の前日、たくさんの荷物をお父さんのリュックサックの中につめこみます。

 

エルマーがこの道具をつかって、どんなふうに危機を回避していくのかこそ、この物語の見どころです。

 

エルマーは道中いろいろな動物に出会うんですが、こらしめたり、相手をこうげきしたりするのではなく、道具を使って『誰も傷つかない方法』で危機を乗り越えていくのです。

 

悪者に立ち向かうために戦ったりする物語はたくさんありますが、エルマーはそういった道を選ばすに、自分の知恵と工夫で当たり前のように戦わない方法を選んでいます。

 

意図して誰かを傷つけないということを大切に思ってくれる子が増えたら、すごく素敵な世の中になりますよね。

 

 最後に

エルマーのぼうけんは、次々にドキドキな展開がやってくるので、飽きずに次へ次へと読み進めてしまいます。

 

エルマーの世界を空想しながら、自分で旅しながらも、大切なことを学ぶことができる児童文学です。ぜひ、小さな頃に繰り返し読んでほしい一冊です!

 

 

気になる方は、是非チェックしてみてください!

今回読んだ本

作: ルース・スタイルス・ガネット
絵: ルース・クリスマン・ガネット
訳: 渡辺 茂男
出版社: 福音館書店